Bay Cat発見のニュース紹介記事

ボルネオヤマネコ 自動撮影カメラで撮影に成功

The Borneo Post, Friday, August 26, 2011
(記事の和訳)
Kuching:
 ヒヨケザル(flying lemur)の発見から半月も経たず、また新たな発見の知らせが、森林管理ユニット(Forest Management Unit)の一つであるサラワク中央部のAnap Sustainable Development Units(ASDU)からサラワク森林公社(Sarawak Forestry Corporation)に届いた。その森林伐採権区域内にて、極めて珍しいボルネオヤマネコ(Catpuma badia)が発見された。
 ボルネオヤマネコは世界で最も知られていないネコ科動物と考えられているが、このたびサラワク出身の京都大学大学院生(※)が設置した自動撮影カメラにより、ASDU内の2カ所で目撃・ビデオ撮影された。この研究は京都大学と日本の他の研究機関による総合プロジェクトの一環として行われている。
 これまでのこの動物のまれな目撃例は、ASDUから南へ120kmのインドネシア国境にあるLanjak-Entimau野生動物保護区と、ASDUから北へ300kmに位置するPulong Tau国立公園でのもののみだった。ASDUはかつてのITTO Model Forest Management Areaプロジェクトを引き継いでいる。
 ボルネオヤマネコはボルネオの固有種で、1998年制定の野生動物保護条例によってサラワクの完全保護動物(totally protected animal)とされている。 今回の発見は、世界中の野生動物愛好者の関心をつかみ、また2005年に記録された最も近い生息域から約120km離れた地域での分布記録となった。この場所は110,000ヘクタール以上あり、Zedtee社によって管理され、持続的森林管理(SFM)の一環として低インパクト伐採法の厳しい規定に沿った伐採施業が行われている。
 「この貴重な発見は、伐採エリアにおいて高い基準と良質な施業を推進してきた州政府の保護・森林管理努力の直接の成果である。州政府は、Zedtee社のASDU区域における森林管理の水準の高さを認め、今年1月にはサラワク森林公社(Sarawak Forestry Corporation)およびサラワク森林局(Forest Department Sarawak)も含んだ革新的熱帯雨林保全・管理計画(Innovative Rainforest Conservation and Management Plan)を実施するための合意を結んだ。このボルネオヤマネコの発見は当共同プロジェクトの初の成果である」と、サラワク森林公社最高責任者のDatu Len Talif氏は語った。 また、ボルネオヤマネコを伐採の後にも動物が生息しうる証拠とすることにより、Len氏は伐木業者に対して彼らには環境と遺産をまもっていく責任があることを強調した。また同氏は、当区域の保護努力を助け、計画中のSangan-Melukun道路のルートを変更することによって誰もがASDUに入って来られるようにするのに制限をかけたサラワク州大臣Pehin Sri氏に対し感謝の意を表した。

カメラトラップに捉えられたボルネオヤマネコ:Catopuma badia Jason Hon氏提供

 現在までにASDU内ではボルネオに生息する5種類の野生ネコのうち4種類が記録されている。残りの3種は、ウンピョウSunda clouded leopard(Neofelis diardi)、マーブルキャットmarbled cat (Pardofelis marmorata)、そしてベンガルヤマネコleopard cat(Prionailurus bengalensis)である。
※Jason Hon 京都大学地球環境学堂D2

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